相続人であることを証明するためには、まず、第一に相続が開始する原因を知ら
なければなりません。
A)相続開始の原因1 旧民法(昭和22年5月2日まで)
A) 人の死亡
B)隠居
C) 去家
D) 国籍喪失等2 現行法
A) 人の死亡
B) 家庭裁判所での失踪宣告
B)相続開始の時期
1 相続開始の原因が発生した時となります。
2 失踪宣告によって死亡とみなされるときは、
a) 普通失踪・・・7年間の失踪期間満了の時b) 特別失踪・・・危難の去った時
3この開始の時期は相続人を決定する上で重要な基準となります。
[ご注意]
以下は、現行法のみについて記述いたします。旧法が適用されます事案につきましては、司法書士に個別にご相談下さい。
C)相続開始の場所
被相続人の住所地において開始します。 (民法883条)
D) 相続の範囲
1 被相続人の子
(イ)胎児も含まれますが、死産のときは除外されます。(民法886条)
(ロ)相続開始のとき、子供が死亡(廃除・相続権喪失を含む)している
ときは、孫が該当します。・・・・代襲相続人といいます。
但し、被相続人と血族関係(養子を含む)がなければなりません。
(ハ)相続開始のとき、孫が死亡(廃除・相続権喪失を含む)しているときは曾孫が該当します。
但し、被相続人と血族関係(養子を含む)がなければなりません。
2 配偶者(常に、他の相続人と同順位)
3 被相続人のご両親
(イ)被相続人(故人)の子供・代襲相続人がおられないとき(子供が全員
死亡又は存在しないケースを含む)のみです。
4 兄弟姉妹
(イ)被相続人(故人)の子供・代襲相続人・ご両親がいないときのみです。
(ロ)被相続人の兄弟姉妹が、死亡している時(廃除・相続権喪失を含む)は、その子供が該当します。
(ハ)兄弟姉妹が相続人に該当するとき、注意しなければならないことは、
被相続人(故人)の兄弟姉妹の曾孫には、相続権が無いことです。
(民法887条3項の適用なし)
但し、昭和55年12月31日以前に開始した相続は、兄弟姉妹の孫以下にも代襲相続人となります。
E)相続人の確定方法
1 まずは、被相続人(故人)の死亡の記載がされている戸籍謄本(除籍謄本の時もあります)を取り寄せます。
2 その戸籍謄本に記載されています戸籍編製事項又は 身分事項欄より、
その前の戸籍謄本(除籍謄本の時もあります)を取り寄せ致します。
3 戸籍編製年月日が故人の生年月日より、同一日又は古い時期まで、2の動作
を繰り返して戸籍・除籍謄本を取り寄せます。
4 取り寄せ致しました戸籍・除籍謄本より、故人の子供を確定させることになり
ます。
5 故人の子供が確定しましたら、その子供の戸籍謄本を取り寄せ下さい。
但し、子供が未婚の場合等、この作業が不要のケースもあります。
6 故人の子供が、結婚後、死亡している場合は、代襲相続人を調査すること
になります。
7 以上の戸籍謄本より故人に子供が、存在しないときは故人のご両親が、
相続人となります。
8 故人のご両親供が死亡されていますケースの時は、次の相続人でありま
す故人の兄弟姉妹を、調査することになります。
この方法は、上記記載と同じ方法です。
F)相続人確定上の諸問題
1 戸籍上は相続人であるが、婚姻の取消・養子縁組の無効等によって相続人
でないケースもあります。
2 戸籍上は相続人ではないが、離婚・離縁等の効力の無効によって相続人
であるケースもあります。
3 遺留分のある推定相続人に一定理由が存在するときには故人は、その推定
相続人を廃除するよう遺言に記載することができます。
このときには、相続人を確定し直ししなければなりません。
4 被相続人(故人)は遺言によって認知することができます。
5 相続人の中には住所を調査しても、その住所が不明である場合があります。
この時には、その相続人を不在者とし、その方の財産管理人の請求をしなけ
ればならないケースもあります
6 相続人の中には、痴呆・知的障害等の精神上の障害により事理を弁識する
能力が欠ける方あります。
このようなケースの時は、その方の権利保護の為に、成年後見人の申立を
しなければなりません。
7 その他にも種種の問題が発生ケースがございます。
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